さくら情報システムの IaaS 仮想化ホスティングサービスは、通信インフラごとに仮想マシンを「区画貸し」するような形をとっており、利用環境のネットワーク設計や運用方法についてサービス提供側が関与することはありません。ユーザーは、インターネット上にネットワークを配置したり、閉域ネットワークを構築したりするなど、ネットワークを自由に設計することができます。このようなサービスはユーザーにとって便利ですが、共有ネットワーク部分で問題が発生した場合、サービス提供者側からは全体像を把握することが難しいという大きな課題がありました。
さくら情報システムのプロジェクトチームリーダーの犬竹雅博氏 (ICT サービスグループ) は、「負荷がかかったり何らかの攻撃を受けたりという事態に対し、ユーザ単位での利用状況を可視化する手段がありませんでした。」と述べています。このままではサービス品質を保ち、速やかに問題を解決することが不可能になる可能性があり、ネットワーク全体で発生するイベントを視覚化できるツールの調査が行われました。
さくら情報システムでは SNMP 監視を使用していましたが、この従来の監視システムでは、ネットワーク機器の負荷の程度は把握できても、共有であるために、報告された問題がどのユーザーの負荷が原因なのかという点を判断する方法がありませんでした。個別にお客様から、「急に負荷が重くなった」という問い合わせが来ても、ハードウェア障害以外の原因を特定する手段がなかったので、確認できる範囲で回答するしかありませんでした。問題を効果的に解決できなければ、顧客のニーズと期待が満たされず、運用コストが上昇して、競合他社に後れをとることになり、会社の評判にも悪影響が出てしまうため、ネットワークの可視化が緊喫の課題だと認識されていました。
サービス開始から5年経過したタイミング(2017年末)で、さくら情報システムの仮想化ホスティングサービスのシステム更改を担当したのが兼松エレクトロニクス社です。兼松エレクトロニクスは、更改にあわせて共用ネットワーク部分の可視化ソリューションを提案し、確かな実績がある最適なソリューションとして Flowmon を推薦しました。
さくら情報システムで、Flowmon を様々な角度から他社製品と比較検討してみたしたところ、最終的に Flowmon が最適だという結論に至りました。
「性能や欲しい機能、コストメリットを考えたときに、Flowmonが導入のしやすさも含めて優れているという結論はかなり早期に出ていました。…今回のシステム更改に伴い Flowmon を導入したことで、以前よりトラブルの原因特定が容易になったことは間違いありません。」